その他 障害年金の初診日の取扱いを具体例をまじえて解説します。 | かなみ社会保険労務士事務所

その他の障害年金の初診日取扱いについて解説します。

初診日を特定できない場合は、ここで解説している取扱いによって初診日の時期を特定することになります。

請求者の申立てに基づき医療機関が過去に作成した資料の取扱い

診断書

請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録等)に請求者申立ての初診日が記載されている場合には、初診日と認められることがあります。また、その資料が請求の5年以上前でない場合であっても、相当程度前である場合には、請求者申立ての初診日について参考となり、他の資料と合わせることで初診日と認められることがあります。

他の資料の例としては、診察券や入院記録など、請求者の申立て以外の記録を根拠として初診日を推定することが可能な資料であり、請求者や請求者の家族等の申立てに基づく第三者証明は含まれません。

事例1 20年以上同じ医療機関に通院 初診時の診療録に発病時期が記載

「平成6年8月頃」に気分の落ち込みや不眠症状のためにA病院を受診。

A病院が廃院になったことからB病院に転院(平成10年頃)

B病院へは令和2年に障害年金を請求(申請)する時まで継続して通院していた。

B病院の初診時の診療録に「平成6年8月頃に体調不良をきたし、うつ状態、不眠、不安感などが出現し、A病院を受診」との記載があった。


障害年金を請求(申請)する5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録等)であるため、「平成6年8月31日」を初診日として申立てた。

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診察券等における初診日確認の取扱い

診察券や医療機関が管理する入院記録等により確認された初診日や受診した診療科が請求傷病での受診である可能性が高いと判断できる診療科(精神科など)である場合には、それらの参考資料により初診日が認められることがあります。

また、診察券や入院記録等だけでは請求傷病での受診である可能性が判断できない診療科(内科など)の場合であっても、診察券や入院記録等で初診日や受診した診療科であると確認できたときは、請求者申立ての初診日について他の参考となる資料とあわせて初診日と認められることがあります。

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健診日の取扱いについて

健康診断結果

初診日は、原則として初めて治療目的で医療機関を受診した日となり、健康診断を受けた日(健診日)は初診日としては取り扱われません。

ただし、初めて治療目的で医療機関を受診した日の医証が得られず、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合で、請求者から健診日を初診日とするよう申立てがあれば、健診日を初診日とし認められることがあります。

この場合、健診日を証明する資料(人間ドックの結果など)を提出する必要があります。

事例2 会社の健康診断日を初診日として認定

平成10年に行われた会社の健康診断において尿に糖が出ていると指摘され、病院を受診するように指示された。

A内科を受診すると1型糖尿病の可能性があると言われ、B病院を紹介された。

B病院で1型糖尿病の確定診断を受け、インスリン治療が始まった。

A病院を受診してから約10年間、障害年金を請求(申請)する時には5番目の医療機関であるE病院に通院していた。


A内科とB病院の診療録は廃棄されており、C病院、D病院、E病院ではA内科を受診した時期を特定することができなかった。

初診時期の特定は困難かと思われたが、請求人は尿糖が指摘された平成10年の健康診断結果表を保管しており、また、平成8年と平成9年の尿糖が指摘されていない健康診断結果表も保管していた。

異常(尿糖)の指摘を受ける前の2年間は何も異状はなかったため、3年分の健康診断結果表を元に尿糖を指摘された健康診断日を初診日として申し立てた。

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日付が特定されない初診日の取扱い

資料により初診日のある年月までは特定できるが日付が特定されない場合には、その月の末日が初診日となります。

ただし、その月内に異なる年金制度(国民年金と厚生年金など)に加入していた場合については、その月の月末を初診日とはされません。

日付が特定されない場合の初診日申立日

初診時期 初診日申立日
平成23年12月頃 平成23年12月31日
平成23年冬頃 平成23年2月28日
平成23年春頃 平成23年5月31日
平成23年夏頃 平成23年8月31日
平成23年秋頃 平成23年11月30日

事例3 受診状況等証明書の記載内容から初診日を認定

請求時よりも5年以上前である、平成14年5月15日初診の医療機関の受診状況等証明書に「平成7年5月より他院へ通院」との記載があった。

平成7年5月は全期間厚生年金保険被保険者であったため、「平成7年5月31日」を初診日として申し立てた。

 

事例4 障害年金の請求時の診断書の記載内容から初診日を認定

障害年金の請求で提出した診断書に初めて医師の診療を受けた日「平成20年4月頃(本人申立て 申立日は平成25年3月25日)」との記載があった。

また、発病から現在までの病歴においても、申立日が平成25年3月25日で発病からの経緯が記載されていた。

平成20年4月は全期間国民年金被保険者であり、国民年金保険料も納付期限どおりに納められていたため、「平成20年4月30日」を初診日として申し立てた。

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初診日を確認する際の留意事項

初診日の確認に当たっては、初診日の医証がない場合であっても、2番目以降の受診医療機関の医証などの提出された様々な資料や、傷病の性質に関する医学的判断等を総合的に勘案され、請求者申立ての初診日が認められます。

また、初診日に関する複数の資料が提出された場合には、他の資料との整合性等や医学的判断に基づいて、請求者申立ての初診日が確認されます。

実務的には、ここで解説した取扱いや、第三者証明、初診日が一定の期間内にあると確認された場合の初診日確認の取扱いなど、様々な方法によって初診日を特定することになります。

不安な方は、障害年金の専門家へ相談しましょう。

実際に障害年金を請求しようとすると、障害年金に関する知識を抑えた上で様々な書類の準備をしたり、年金事務所へ足を運び煩雑な処理を正しい手順で進めていく必要があります。おそらく人生で1度しかない手続きで、慣れない手続きをするのは困難な場合が多いでしょう。

かなみ社会保険労務士事務所では、障害年金の請求に精通した社会保険労務士が請求から受給までしっかりとサポートいたします。

相談だけなら無料です。お近くの地域の方はぜひご利用ください。


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