軽度精神遅滞(知的障害)と障害年金

軽度の精神遅滞の場合、障害年金は受給できないという誤解があります。
軽度精神遅滞でもそれまでの養育環境や発育経過などによって、日常生活に多くの援助が必要になっているような方もいらっしゃいます。軽度精神遅滞で障害年金を請求するに際しての注意点を解説します。

障害年金認定基準における知能指数の扱い

障害年金における障害認定基準では、知的障害における知能指数の関係が以下のように記載されています。

等級 障害の程度
1級 知的障害があり、食事や身の回りのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級 知的障害があり、食事や身の回りのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
3級 知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの

「知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する」

つまり、知的障害の中で軽度の精神遅滞(IQ50~70)であっても、それまでの養育環境・発育経過などによって、日常生活に多くの援助が必要になっているような方もいらっしゃいます。そういった場合には、障害年金の対象になります。

行政機関等から「軽度の精神遅滞だと障害年金は受給できない」などと説明されることがありますが、そんなことはありません。 軽度の精神遅滞でも日常生活に多くの援助が必要な場合は、障害年金の対象になるということが障害認定基準で説明されているのです。

障害年金の初診日は

障害認定基準では、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれる」とされています。つまり、初診日がいつであるかに関わらず、「20歳前傷病」として扱われ、障害年金を請求するための初診日証明は必要ありません。

軽度の精神遅滞の方の中には、周囲はまったく気づかず、小中学校を普通学校で卒業するということがあります。

20歳を過ぎて就職したが、仕事が遅い、仕事の覚えが悪いなどと上司から怒られ、自分は周りとは少し違うのではないかと感じ始め、病院に行った結果、軽度の精神遅滞であったと診断されることもあります。

このように、20歳を過ぎて以降、精神遅滞という診断を受けた場合でも、他の疾病のように初診日から1年6ヶ月経過した後でなければ障害年金は請求できないという訳ではありません。

知的障害は、先天性のものとされますので、1年6ヶ月を経過するまで待つ必要はなく、障害年金をすぐに請求することができるのです。

行政機関や医師から「初診日から1年6ヶ月経ってから請求するように」と間違って説明されることがありますが、精神遅滞の場合は、障害年金をすぐに請求できます。

病歴・就労状況等申立書は重要な審査書類になります

軽度精神遅滞の方が障害年金を請求する上で、病歴・就労状況等申立書は、他の傷病の方よりも丁寧に記載していかなければいけません。この病歴・就労状況等申立書は診断書とともに重要な書類となってきます。

病歴・就労状況等申立書は出生時から記入

精神遅滞の場合、先天性のものとなりますので、出生時から請求時までの日常生活や病状に関する申立てをすることになります。幼少期、小学生、中学生、20歳までというように転機ごとに区切って記入していきます。

普通学級に通学していても

軽度の精神遅滞の方の場合、小中学校は支援学級ではなく、普通学級に通っていたということもあります。この場合、

  • 学校や周囲の支援はどの程度あったのか
  • 勉強の遅れはどの程度あったのか
  • 毎日休まずに出席できていたのか

など、ただ単に普通学級に通っていたことだけではなく、支援の程度や学校での生活状況などを申し立てるようにします。

就労している場合

障害認定基準には就労に関して次のように記載されています。「就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するととともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。

このように、障害認定基準には、就労の事実のみによって判断することはないとしているのですが、実際には、就労していることだけで不支給となることもあります。

病歴・就労状況等申立書によって、就労の状況(通勤の状況)・職場での支援の程度・他の従業員との意思疎通のことなどを伝える必要があります。

 障害年金のサポートは軽度精神遅滞の方が一番必要かもしれません

軽度精神遅滞の方の場合、障害年金を請求しても診断書の内容が不十分であったり、病歴・就労状況等申立書を簡単に書いた結果不支給となってしまうことがあります。

障害年金を請求するには、

  • 年金事務所への対応
  • 診断書作成の依頼
  • 病歴・就労状況等申立書の作成
  • 病歴・就労状況等申立書の内容の吟味

などありますが、どれ一つとっても重要で、間違いがないように書類を整えていかなければなりません。

このように、軽度精神遅滞の方の場合は考えるべき事項が多くあります。

障害年金のサポートが一番必要になるのは軽度精神遅滞の方なのかもしれません。

軽度精神遅滞(知的障害)で障害年金をサポートした事例集

当事務所が担当させていただいた案件を一部ご紹介させていただきます。

知的障害・精神遅滞の方の障害年金事例集

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