令和2年度(2020年度)障害年金の年金額(支給額例付きの解説) | かなみ事務所 - 障害年金専門の社労士が解説(川西,池田,伊丹,宝塚,豊中)
事前の基礎知識
障害年金には「障害厚生年金」と「障害基礎年金」の2つ制度があります。どちらが適用されるかは"初診日時点でどちらの年金に加入しているか"で決まり、下記の通りとなります。- 国民年金:「障害基礎年金」
- 厚生年金:「障害基礎年金」と「障害厚生年金」
障害厚生年金の支給額
障害厚生年金が支給されるのは、以下の条件を満たす場合です。- 厚生年金保険に加入中に、初診日のある病気や怪我によって障害の状態になったこと
- 障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月経過した日)に、1~3級の障害状態になったこと
- 初診日において一定の保険料納付要件(滞納などがないこと)を満たしていること
1級 | 報酬比例の年金額 × 1.25 + 障害基礎年金1級 +(子の加算額)+(配偶者の加算額) |
---|---|
2級 | 報酬比例の年金額 + 障害基礎年金2級 +(子の加算額)+( 配偶者の加算額) |
3級 | 報酬比例の年金額 ※最低保障額 586,300円 |
報酬比例の年金額
障害厚生年金の年金額は、働いていた際の給与の額によって計算されるため変動します(=報酬比例)。障害基礎年金のような固定額ではありません。 障害厚生年金の年金額の計算式はかなり複雑です。ここでは説明のために具体例として、ある一定の条件を設定し、障害厚生年金の年金額を計算してみます。実際には報酬額や加入年数によって変動しますので、あくまで目安としてご参考ください。 平成15年3月以前の期間のみの厚生年金保険、加入期間が25年の場合で障害厚生年金額を計算してみます。給料の額 | 障害厚生年金1級 | 障害厚生年金2級 | 障害厚生年金3級 |
---|---|---|---|
20万円 | 約56万円 | 約45万円 | 586,300円 ※ |
30万円 | 約84万円 | 約67万円 | 約67万円 |
40万円 | 約112万円 | 約90万円 | 約90万円 |
障害基礎年金1級 | 977,125円 |
---|---|
障害厚生年金1級 | 840,000円 |
配偶者の加算 | 224,900円 |
子の加算 | 449,800円 (224,900円 × 2人) |
合計 | 2,491,825円 (月額:約20.7万円) |
障害基礎年金2級 | 781,700円 |
---|---|
障害厚生年金2級 | 670,000円 |
配偶者の加算 | 224,900円 |
子の加算 | 449,800円 (224,900円 x 2人) |
合計 | 2,126,400円 (月額:約17.7万円) |
障害基礎年金 | |
---|---|
障害厚生年金3級 | 670,000円 |
配偶者の加算 | |
子の加算 | |
合計 | 670,000円 (月額:約5.5万円) |
2級と3級の金額差が大きいのは、3級には障害基礎年金がなく、また配偶者と子の加算額がないからです。しかし、3級自体が存在しない障害基礎年金に比べると恵まれていると言えるでしょう。
国民年金・障害基礎年金のみの場合の支給額
国民年金・障害基礎年金には1級と2級があり、年金額は以下のようになります。- 障害基礎年金1級 977,125円 + 子の加算
- 障害基礎年金2級 781,700円 + 子の加算
子の加算について
「18歳到達年度の末日(3月31日)までにある子」「20歳未満で障害等級1級または2級の障害の状態にある子」がいる場合に、以下の額が加算されます。第1子・第2子 | 各 224,900円 |
---|---|
第3子以降 | 各 75,000円 |
障害年金の金額(令和1年の障害基礎年金の場合)
子の加算が3人までの例を表にまとめました。障害基礎年金 1級
本人のみ | 977,125円(月額:81,427円) |
---|---|
本人と子が1人 | 1,202,025円(月額:約100,000円) |
本人と子が2人 | 1,426,925円(月額:約118,000円) |
本人と子が3人 | 1,501,925円(月額:約125,000円) |
障害基礎年金 2級
本人のみ | 781,700円(月額:約65,000円) |
---|---|
本人と子が1人 | 1,006,600円(月額:約83,000円) |
本人と子が2人 | 1,231,500円(月額:約102,000円) |
本人と子が3人 | 1,306,500円(月額:約108,000円) |
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