兵庫県川西市|高次脳機能障害で障害厚生年金2級を受給(肢体から変更)|かなみ社会保険労務士事務所
| 兵庫県川西市
兵庫県川西市のご相談者様より、くも膜下出血後の障害年金請求についてご相談をいただきました。当初は「肢体障害」での請求を検討していましたが、最終的に「高次脳機能障害」へ切り替えることで、障害厚生年金2級の受給に至った事例をご紹介します。
相談者の状況(くも膜下出血の発症と経過)
相談者様は元々、先天性の股関節障害により歩行に制限がある状態でした。そのような中、令和5年3月に自宅で倒れ、くも膜下出血の診断で救急搬送されました。
A病院にてコイル塞栓術や減圧開頭術、頭蓋形成術などの大きな手術を行いました。その後リハビリ目的でB病院へ転院。一時は水頭症を合併したために再手術が必要となりましたが、リハビリが進むにつれ、身体的な麻痺だけでなく、記憶障害などの「高次脳機能障害」の症状が顕著に見られるようになりました。
受任から障害年金の請求までに行ったこと
1. 既往症と併せた「初めて2級」の検討
当初、以前からの下肢障害(先天性股関節脱臼)と、今回新たに加わった「くも膜下出血」による左半身麻痺を合わせ、「初めて2級(基準障害による請求)」での申請を検討しました。
「初めて2級」とは?
1級または2級に該当しない障害(前生障害)がある人が、新たに別の障害(基準障害)を負い、それらを併せることで初めて2級以上の状態に該当する場合に請求できる仕組みです。
2. 肢体障害から「高次脳機能障害」への重大な方針転換

取得した肢体の診断書を確認すると、リハビリの成果もあり、身体能力そのものは「3級にも満たない」という判定でした。このまま肢体で請求しても不支給になるリスクが非常に高い状態といえます。
一方で、診断書の備考欄に書かれた「高次脳機能障害が残存」という一文を見逃しませんでした。ご本人やご家族に詳しくヒアリングを行うと、身体の麻痺以上に、以下の「精神の障害」が私生活を困難にさせていることが浮き彫りになりました。
- 記憶障害:さっき聞いたことをすぐに忘れ、日常生活の段取りが組めない。
- 注意障害:集中力が続かず、危険なミスを連発してしまう。
- 遂行機能障害:物事の計画を立てて実行することができず、一人で生活ができない。
3. 実態を反映させた「精神の障害」としての請求
請求方針を「肢体」から「高次脳機能障害(精神の障害)」に完全に切り替えました。医師には、身体の動作チェックだけでは見えにくい「日常生活での具体的な困りごと」をまとめた資料を添えて、診断書を依頼しました。これにより、実態に即した内容での請求が可能となりました。
結果
障害厚生年金2級を受給
(病名:高次脳機能障害)
諦める前に専門家に相談を
今回の事例のように、当初考えていた障害区分(肢体)では基準に満たなくても、別の視点(高次脳機能障害)からアプローチすることで受給に繋がるケースは多々あります。特に脳血管障害の場合は、身体麻痺と精神障害の両面から慎重に検討することが重要です。
「自分の場合はどうだろう?」と不安に思われた方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。
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