兵庫県川西市 広汎性発達障害・知的障害(境界域)で障害基礎年金2級を受給 | かなみ社会保険労務士事務所

| 兵庫県川西市

相談者の状況

2人兄弟の次男として出生されました。幼少期からご両親と視線が合わず、3歳になっても発語がないため、発達健診で遅れを指摘されていました。子育て支援教室へ通いましたが、他の子どもや遊具には一切関心を示さず、ただ立ち尽くして自分の世界に入っているような状態でした。

幼稚園でも周囲との関わりはなく、小学校入学前にA病院を受診。「広汎性発達障害・知的障害の境界域」と診断され、医師の助言により小学校は特別支援学級を選択しました。平成22年には療育手帳B2が交付されています。
小・中学校を通じ、自分の意思や感情を伝えることはできず、学習面の遅れも目立ちました。周囲に無関心で常にマイペースに行動し、見通しを立てることが極端に苦手でした。学校から帰ると、飽きもせず敷居にミニカーを一列に並べ続けるのが日課でした。

高校は特別支援学校へ進学しましたが、電車とバスの複雑な経路を自力で判断できず、覚えるまでは毎日の付き添いが必要でした。成人を迎え、今後の生活の安定と将来への備えとして、障害年金の請求を行うこととなりました。

受任から障害年金の請求までに行ったこと

知的障害や広汎性発達障害の場合、出生から現在に至るまでの長い期間の成育歴を、審査側に分かりやすく伝えることが重要です。

病歴・就労状況等申立書の作成

ご両親様より、出生時から現在に至るまでの様子を詳細にヒアリングしました。
医学的な診断名だけでなく、「視線が合わない」「ミニカーを並べ続ける」「通学に付き添いが必要」といった具体的なエピソードを時系列で整理し、日常生活でどのような支障があったのかが審査官に具体的に伝わるよう書類を作成しました。

医師への診断書作成依頼のサポート

知的障害や発達障害の認定においては、診察室での様子だけでなく、家庭や学校生活での「実際の能力」が正しく反映される必要があります。

医師が診断書を作成する際、ご本人の日常生活能力(意思伝達の困難さ、手順の理解度など)を正確に把握できるよう、ご家族から聞き取った情報をまとめた参考資料を作成し、医師へ橋渡しを行いました。

障害基礎年金の請求

本事例は20歳前に初診日(知的障害の場合は出生日)があるため、「障害基礎年金」の請求となります。
就労状況や日常生活の自立度について、過大評価も過小評価もせず、ありのままの「支援が必要な状態」を主張し、適切な等級認定を目指して手続きを進めました。

結果

障害基礎年金 2級
(広汎性発達障害)

投稿者プロフィール

松田康
松田康社会保険労務士 (障害年金専門家)
かなみ社会保険労務士事務所
社会保険労務士 27090237号
年金アドバイザー
NPO法人 障害年金支援ネットワーク会員

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