お薬手帳で初診日を証明 30代男性 うつ病で障害厚生年金2級を受給 | かなみ社会保険労務士事務所
| 兵庫県川西市
相談者の状況
耳を塞ぎたくなるような、まるでドラマを見ているかのような酷い暴言や怒鳴り声が会社内に響いていました。それまで就労経験がなかったため、会社(社会)とはこういうものなのかとショックを受けました。社会人だからと自分に言い聞かせて働きましたが、やはり対応することができず、2か月ほどで退職することになりました。退職後は、社会に出るのが怖くなり、自己否定感、自責感から引きこもりの状態が続いていました。
約4年後、母親から就労を勧められ、社長とパートタイマー1名の小さな事業所でアルバイトを始めました。事業所ではネット販売を強化しようとしていた時期で、パソコン操作に詳しい申請(請求)人が重宝され、やがて正社員として登用されることになりました。アルバイトとして見られていた立場から、正社員として責任のある立場になったことで、心理的ストレスを感じるようになります。同時に、事業が大きく展開していった時期でもあったために忙しくなり、さらにクレ ーム対応も行う必要があったので、精神的負担が非常に強まりました。
初めて就職した会社と同様、社会で責任を果たせない自分に対して、生きている価値がないと思うようになり、不眠傾向が強まり、孤立感や希死念慮が強くなっていきました。
希死念慮や抑うつ気分が強まって心療内科を受診します。医師から休職するように指示されましたが、小さな会社であったことから休むことができず、職場の机の中に薬を準備し、しんどくなる度に服薬していたそうです。障害年金の申請(請求)時は会社は退職されていました。
受任から申請(請求)までに行ったこと
初診日は厚生年金の被保険者を取得した直後でした。障害年金では、初診日の特定が非常に重要ですが、初診の医療機関の診療録はすでに廃棄されており、通院記録だけが辛うじて残っている状態でした。
このため、初診の医療機関で初診日と処方薬のみが記載された受診状況等証明書を取得しました。受診状況等証明書の「発病から初診までの経過」に記載はなかったため、他の資料で初診日を証明する必要がありました。申請(請求)人はお薬手帳を保管されており、そこに受診状況等証明書の初診日と同日に薬局から処方されている記録があり、お薬手帳の1ページ目にありました。
お薬手帳の1ページ目の記録と受診状況等証明書の日付が同一であることを主張し、初診日として申し立てることにしました。
障害認定日時点では社会保険に加入して就労されていましたが、お薬手帳を利用し、処方薬の変化や処方量などを表にしました。処方量が増えていることを確認することができ、当時の体調は服薬量等によって推測が可能であると申し立てました。
結果
年金種類と等級;障害厚生年金2級
年金額:年額1,100,000円 遡及金額 5,500,000円(5年)
その他
>>> うつ病で障害年金を申請(請求)する方法やポイントを解説
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