喉頭がんで障害年金を請求する方法 | かなみ社会保険労務士事務所/障害年金請求を代行

喉頭がんで障害年金を請求するために必要な障害認定基準、初診日の考え方、必要書類、診断書の注意点などを専門家が分かりやすく解説します。この記事では、喉頭がんによる障害年金請求の重要ポイントをまとめました。

1. 喉頭がん(音声・言語機能)の障害認定基準

障害年金に該当する障害の状態については、国民年金法施行令(別表)および厚生年金保険法施行令(別表第1・第2)があり、具体的な基準として「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 音声または言語機能の障害」が定められています。

1-1. 音声又は言語機能の障害認定基準

等級 障害状態の目安
2級
  • 発音に関わる機能を喪失したために日常会話が誰とも成立しない状態
3級
  • 話すことに多くの制限があるため、日常会話が困難な状態

1-2. 喉頭全摘出と等級について

喉頭を全て摘出した場合、発声機能を喪失するため、原則として2級に認定されます。
障害の状態そのものが重視されるため、就労状況(働いているかどうか)に関係なく認定されます。

2. 初診日の考え方と障害認定日

2-1. 喉頭がんにおける初診日

障害年金における初診日とは、「障害の原因となった傷病(喉頭がん)のために、初めて医師の診療を受けた日」を指します。

喉頭がんの場合、次のような日が初診日となるケースが一般的です。

  • 声がれや喉の違和感などの症状で耳鼻咽喉科を受診した日
  • 風邪だと思って内科を受診し、そこから専門医を紹介された場合は、最初の内科を受診した日
  • 健康診断などで喉頭がんが疑われ、精密検査を受けた日

2-2. 障害認定日について

基本的には、初診日から1年6か月を経過した日が「障害認定日」となります。

  • 初診日から1年6か月を経過した時点の障害の程度で、障害等級に該当するかを判定
  • その時点で該当しない場合、「事後重症」として、請求時点の状態で障害等級に該当するかを判定

2-3. 喉頭全摘出における障害認定日の特例

原則として障害認定日は「初診日から1年6か月を経過した日」ですが、喉頭全摘出を行った場合、特例として手術日が障害認定日になります。

  • パターン①:初診日から1年6か月「以内」に喉頭全摘出をした場合
    喉頭全摘出の手術日 = 障害認定日(この時点で請求可能)
  • パターン②:初診日から1年6か月「経過後」に喉頭全摘出をした場合
    初診日から1年6か月経過日 = 障害認定日(原則どおり)
    ※ただし、1年6ヶ月経過日時点で等級に該当しない場合は、手術日以降に「事後重症請求」を行います。

喉頭全摘出の場合、手術日と1年6か月経過日のどちらが認定日になるかで、請求のタイミングや遡及(過去分の受給)の可能性が変わることになります。

3. 障害年金請求に必要な書類

喉頭がんで障害年金を請求する場合、一般的には次のような書類が必要です。

  • 障害年金請求書
  • 診断書(聴覚・鼻腔機能・平衡機能・そしゃく・嚥下機能・音声又は言語機能の障害用・様式第120号の2)
  • 病歴・就労状況等申立書(初診日から請求日までの経過、治療内容、日常生活の不便さ等を記載)
  • 受診状況等証明書(初診医療機関で取得)
  • 年金生活者支援給付金請求書

4. 診断書の重要ポイント

障害年金の結果は、診断書の内容に大きく左右されます。喉頭がん(喉頭全摘出)で障害年金を請求する際に重要となるポイントを押さえておきましょう。

4-1. 手術歴

  • 喉頭全摘出の明記
    • 「⑨ 現在までの治療の内容、期間、経過、その他参考となる事項」の手術歴に喉頭全摘の手術日が明記されていること。

4-2. 会話による意思疎通の程度

会話による意思疎通の程度の評価が適正にされているかを確認します。

  • 2級:発声に関わる機能を喪失するか、話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方をほとんどできないため、日常会話が誰とも成立しない
  • 3級:話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方に多くの制限があるため、日常会話が、互いに内容を推論したり、たずねたり、見当をつけることなどで部分的に成り立つ

5. 喉頭がんで障害年金を請求した事例集

当事務所による喉頭がんで障害年金を請求した事例の一部をご紹介します。各事例のリンクをクリックすると、詳しい解説ページへ移動します。

50代男性 喉頭がんによる言語機能の障害で障害基礎年金2級を受給

障害等級:障害基礎年金2級/障害認定日請求

概要:喉頭がんによる全摘出手術で言語機能を喪失された事例です。制度をご存じなく手術から5年以上が経過していましたが、手術日を障害認定日として障害年金の請求を行い、障害基礎年金2級(5年遡及)が認められました。

6. 最後に

本ページでは、喉頭がんで障害年金を請求する方法をまとめました。

障害年金の制度・診断書様式・運用は改正されることがありますので、実際に障害年金を請求される際は以下の専門機関等に確認しながら進めることをおすすめします。

  • 最寄りの年金事務所での最新案内
  • 厚生労働省・日本年金機構の最新リーフレット
  • 障害年金に詳しい社会保険労務士

※本記事は一般的な情報提供であり、特定の方の受給権や等級を保証するものではありません。ご自身のケースについては、必ず年金事務所や専門家にご相談ください。

投稿者プロフィール

松田康
松田康社会保険労務士 (障害年金専門家)
かなみ社会保険労務士事務所
社会保険労務士 27090237号
年金アドバイザー
NPO法人 障害年金支援ネットワーク会員

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