引きこもりだから不支給 広汎性発達障害で障害基礎年金2級を受給 | かなみ社会保険労務士事務所

| 大阪府池田市C様

相談者の状況

子どもの頃から人間関係の構築が困難で、不安感や憂うつ感が続いていました。高校生の頃には、友だちと関係を作ること自体が不安になっていました。

スクールカウンセラーから紹介された心療内科を受診され、社会不安障害と診断されています。

大学は指導教官や家族の協力のもとで卒業し、一般企業に就職しましたが長続きはしませんでした。

障害年金の申請(請求)時は、精神障害者保健福祉手帳を取得し、障害者雇用で就労されていました。

受任から申請(請求)までに行ったこと

障害認定日とされる20歳時は大学に在学していましたが、不安や緊張が続いて夜も眠れず、大学に行くことができなくなっていました。医師からはうつ病と診断されており、抗うつ剤や睡眠剤の処方を受けている時期でした。

障害認定日の診断書には「憂うつ感、不安感、摂食不良、不眠等により、外出できず、多くの時間家庭内に閉じこもっている」と記載され、日常生活能力の判定平均は「3.4」、日常生活能力の程度は(4)で等級の目安は「2級」となっていました。

申請(請求)日も同じような内容の診断書でしたが、一般企業に障害者雇用で就労されていたため、就労内容や内部支援、外部支援などの状況を記載した申立書を提出しました。

結果

障害認定日は障害の程度に該当せずに不支給とされ、申請(請求)日から障害基礎年金2級を支給すると決定されました。

障害認定日の決定に不服があったため、審査請求を行うことになりました。

保有個人情報開示請求

審査請求を行うにあたり、審査状況を確認するために個人情報開示請求を行いました。

障害状態認定調書には、「認定日:閉じこもり」申請(請求)日「集団適応困難 修正困難」「大学在学中」と記載されていました。

障害認定日に不該当となった理由は、診断書に記載のあった「多くの時間家庭内に閉じこもっている」という一文から、「精神疾患を伴わない閉じこもり」とみられたことが分かりました。

障害認定日の等級を争う

審査請求では、「引きこもり」とみなされた時期についての詳細な病状(経緯)を申立てました。また、診断書内にあった「引きこもり」という一文のみをもって審査することは疑問に思われること、近時した時期に精神障害者保健福祉手帳を取得していることなどを伝えました。

審査請求では、精神障害者保健福祉手帳が3級であったことから、障害年金でも同程度の障害と思われるとして「棄却」されましたが、再審査請求では主張が認められて「容認決定」されました。

最終結果

年金種類と等級;障害基礎年金2級

年金額:年額780,000円 遡及金額3,900,000円(5年遡及)

その他

>>> 障害認定基準 精神の障害

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