兵庫県芦屋市 注意欠陥多動症・うつ病で障害基礎年金2級が5年遡及で決定 | かなみ社会保険労務士事務所

| 兵庫県芦屋市

相談者の状況

幼少期から「夢想の国」「空想の世界に入っている」と言われるような子どもでした。

小学校では算数がとても苦手でした。計算の繰り上がりや繰り下がり、平面図が理解できず、立体図は頭の中で想像することができませんでした。先生の説明が理解できず、必死に丸暗記していました。

集団行動やグループ学習が苦手で、自分の意見を述べることができず、他の子の意見を受け入れ、言われるままにしていました。

26歳時に結婚して夫の会社の社宅に入りました。同年代の家族が多く、小さな子どもがいる家々と行き来するようになり、自分の家が他とは違っていることに気づきました。物が乱雑に積み上がっており、同じ間取りなのにまるで別の家のように感じました。

子どもが不登校になり、不登校児の親の会に参加するようになります。発達障害の情報を得るために講演会などに参加し、その後、大人の発達障害の会にも参加しました。同時期に「片づけられない女たち」という本を読んで、自分に当てはまる部分が多いと感じました。発達障害の自助会のメンバーからも同じように言われました。

心療内科を受診して心理検査を受けたところ、不注意優勢のADHDと診断され、コンサータ錠の治験のために定期的に通院するようになりました。コンサータ錠の服薬後は脳内のザワザワ感が低減しましたが、薬の効果が切れると倦怠感がひどく、家事がまったくできない状態になってしまうために、受診(服薬)を中断します。

パートタイマーとして会社総務の仕事を始めましたが、書類作成時にはケアレスミスが続き、封筒に書類を詰める作業も大変で、他の者よりも数倍時間を要していました。仕事から帰宅後は料理や片付け、掃除ができず、自宅内は無茶苦茶な状態になりました。洗濯も先延ばしにし、深夜になってようやく行う日々でした。自分には何もできないと考え、気分が落ち込んでいました。知人から病院を受診するように勧められ、心療内科を受診したところ、うつ病であると診断されました。

受任から申請(請求)までに行ったこと

障害年金の申請(請求)代理をした方からの紹介で弊所が手続きを行うことになりました。

障害認定日の時期には、コンサータ錠の治験のために定期的に通院していました。遡及請求の可能性を考え、申請(請求)人に同行して診断書の依頼をしたところ、医師から「注意欠陥多動症で障害年金はもらえないでしょ?」と言われましたが、障害年金は傷病名ではなく、日常生活状況によって判断されることを説明し、診断書を記載してもらえることになりました。薬物療法を自己中断後、10年以上医療機関を受診していない期間がありましたが、その間の日常生活状況や体調、受診しなかった理由などを詳細に申し立てました。

結果

年金種類と等級;障害基礎年金2級(5年遡及)

その他

>>> 障害認定基準 精神の障害

>>> 広範性発達障害(ADHD・ASD)で障害年金を申請(請求)する方法やポイントを解説

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