肝硬変で障害年金を請求する方法 | かなみ社会保険労務士事務所/障害年金請求を代行
肝硬変で障害年金を請求するために必要な障害認定基準、初診日の考え方、必要書類、診断書の注意点などを専門家が分かりやすく解説します。この記事では、肝硬変での障害年金請求の重要ポイントをまとめました。
1. 肝硬変の障害認定基準
障害年金に該当する障害の状態については、国民年金法施行令(別表)および厚生年金保険法施行令(別表第1・第2)があり、具体的な基準として「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 肝疾患の障害(日本年金機構)」が定められています。
1-1. 障害等級の基本
肝硬変(肝疾患)の認定においては、検査数値と一般状態区分、自覚症状や合併症の有無などによって総合的に判断されます。
| 等級 | 障害状態の目安 | 検査成績 | 一般状態 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 日常生活が非常に困難になり、常時介護を必要とする状態 | 高度異常 | (オ) |
| 2級 | 日常生活に著しい制限を受けている状態 | 高度~中等度異常 | (エ)(ウ) |
| 3級 | 労働に著しい制限を受けている状態 | 高度~中等度異常 | (ウ)(イ) |
検査成績に使われる主な検査項目

以下の項目等により、異常の程度(高度・中等度・軽度)が判定されます。
- 血清総ビリルビン値
- 血清アルブミン値
- 血小板数
- プロトロンビン時間
- 腹水・脳症の有無
アルコール性肝硬変の認定
アルコール性肝硬変で障害年金を請求する場合、以下のような要件があります。
- 継続して必要な治療を行っていること
- 原則として180日以上の断酒継続が確認できること
2. 初診日の考え方と障害認定日
2-1. 肝硬変における初診日
障害年金における初診日とは、「障害の原因となった傷病(肝硬変)のために、初めて医師の診療を受けた日」を指します。肝硬変に至った理由によって次のような日が初診日になります。
- ウイルス性肝炎の場合:C型肝炎やB型肝炎ウイルスが見つかった日、または肝炎の症状で初めて受診した日
- アルコール性肝硬変の場合:肝機能障害や倦怠感などで内科を受診した日
- 健康診断で肝機能異常を指摘され受診した日
※注意点
肝硬変は発症から長い年月を経て進行するため、初診日が10年以上前になることも珍しくありません。初診のカルテが残っていない場合でも、当時の診察券や「第三者証明」などで証明できる場合があります。
2-2. 障害認定日について
初診日から1年6か月を経過した日が「障害認定日」となります。
- 障害認定日に既に肝硬変の重篤な症状があれば
→ 障害認定日請求(遡っての請求)が可能です。 - 1年6か月時点では症状が軽く、その後悪化した場合は
→ 事後重症請求として、現在の状態に基づいて請求します。
肝硬変は慢性進行性の疾患であるため、多くのケースで「事後重症請求」となります。
3. 障害年金請求に必要な書類
肝硬変で障害年金を請求する場合、一般的には次のような書類が必要です。
- 障害年金請求書
- 初診日に厚生年金加入 → 「国民年金・厚生年金保険障害給付」
- 初診日が20歳未満、20歳以上65歳未満の国民年金 → 「国民年金障害基礎年金」
- 診断書(腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用・様式第120号の4)
- 病歴・就労状況等申立書(病状の経過や症状、生活・仕事への影響を時系列で記載)
- 受診状況等証明書(初診医療機関)
- 年金生活者支援給付金請求書
4. 診断書の重要ポイント
障害年金の審査では、診断書の内容が合否を分けます。肝硬変の場合、特に以下の記載漏れがないか確認が重要です。
4-1. 検査数値の記載
検査成績は変動しやすいため、肝疾患の経過中において最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績が必要になります。直近の数回分のデータの記載があるか確認しましょう。
- 総ビリルビン
- アルブミン
- プロトロンビン時間(PT)
- 血小板数
4-2. 一般状態区分表(日常生活動作)
診断書の裏面にある「一般状態区分表」の評価も重要です。
- イ:軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行や軽労働はできる。
- ウ:歩行や身の回りのことはできるが、時に介助が必要で軽労働はできない。
- エ:身の回りのことはある程度できるが、しばしば介助が必要になっている。
- オ:身の回りのことはできず、常に介助が必要になっている。
医師に、日常生活の具体的な困難さを正しく伝えることが大切です。

5. 最後に
本ページの内容は、肝硬変で障害年金を請求する方法をまとめたものです。
障害年金の制度・診断書様式・運用は改正されることがありますので、実際に障害年金を請求される際は
- 最寄りの年金事務所での最新案内
- 厚生労働省・日本年金機構の最新リーフレット
- 障害年金に詳しい社会保険労務士
などに確認しながら進めることをおすすめします。
※本記事は一般的な情報提供であり、特定の方の受給権や等級を保証するものではありません。ご自身のケースについては、必ず年金事務所や専門家にご相談ください。
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