人工透析と障害年金

人工透析が必要になった場合、障害年金の対象となります。
人工透析で障害年金を請求するためのポイントや注意点を解説いたします。

人工透析で障害年金の支給対象となる基準

人工透析

障害年金では、人工透析を療法中の場合には2級に該当するとしています。このため、初診日時点の保険料納付要件や年齢要件などをクリアしていれば、障害年金の受給は可能といえます。

しかし、人工透析で障害年金を請求する際に一番の問題になるのは、「初診日」の特定が困難になっているケースが多くあることです。

 

障害年金の初診日とは

「障害年金で「初診日」とは、障害の原因となった「傷病」につき、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日をいう。」としています。

障害年金の制度では、「初診日」時点においてどの制度(国民年金・厚生年金)に加入していたか判断され、保険料納付要件を満たしているのかを確認されるため、「初診日」は非常に重要視されています。

人工透析療法中の場合は障害年金2級に該当するのだから、「初診日」が曖昧なままでも、請求すれば認めてもらえるなどと安易に考えないようにしてください。

人工透析の場合、初診日の特定・証明が難しいケースが多い

障害年金の制度では非常に重要となる「初診日」ですが、人工透析で障害年金を請求する場合、初診日を特定することが困難な場合が多くあります。

末期腎不全となって人工透析が必要になるまで、初診日から長い期間を経ていることが多いからです。

例えば、糸球体腎炎(ネフローゼを含む)、多発性のう胞腎、腎孟腎炎などになり、その後に慢性腎不全(人工透析が必要)になった場合には、両者の期間がどれだけ長くても因果関係があるとして扱われています。

また、糖尿病が原因で長い期間を経てから人工透析が必要になることも珍しくはありません。

この場合も糖尿病と人工透析は因果関係があるとして扱われます。

この結果、これらの腎炎の症状や糖尿病で最初に医師に診察を受けた日を初診日として扱われ、その日を初診日として障害年金を請求することになるのです。

しかし、これらの初診日は20年や30年も前になることも多くあり、初診日の証明が取れないといったことが出てくるのです。

障害年金の請求で必要な書類(初診日の証明)

上述したように、障害年金は、「初診日」時点においてどの制度(国民年金・厚生年金)に加入していたか判断され、保険料納付要件を満たしているのか確認されます。そのため、障害年金の請求では「初診日」が非常に重要になります。

「受診状況等証明書」や「受診状況等証明書が添付できない申立書」は、人工透析の原因となった傷病で最初に病院に行った日を証明するための書類です。

受診状況等証明書

初診から請求時まで同一の医療機関に通院している場合は「受診状況等証明書」は必要ありません。

初診の医療機関と請求時に通院している医療機関が異なる場合に必要な書類になります。

人工透析で障害年金を請求する方の多くは、初診から請求時まで数十年経過しているため、請求時の医療機関と初診時の医療機関は異なっていると思います。このため、受診状況等証明書が必要になってくる方が多いと思います。

受診状況等証明書が添付できない申立書

初診日が5年以上前にある場合は、医療機関へ「受診状況等証明書」を依頼しても記入してもらえない場合があります(カルテの保存期限が5年となっているため)。

初診の医療機関でカルテが破棄されていた場合には、「受診状況等証明書」は書いていただくことができません。そのような場合には、転院した先の医療機関にカルテが保管されているかを照会します。

そこにもカルテがなかった場合には、次の転院先へと順次確認していきます。

最終的にカルテが残っている医療機関で「受診状況等証明書」を書いてもらいます。

そして、カルテがなかった医療機関については、ご自分で「受診状況等証明書が添付できない申立書」を用意します。

受診状況等申立書が添付できない申立書で初診日が分かりますか?

分かりますか?

受診状況等証明書が添付できない申立書をご自分で用意した場合、その医療機関を受診していたことが分かる客観的な参考資料、例えば、お薬手帳や診察券、保険調剤明細書などを探し、「受診状況等証明書を添付できない申立書」と一緒に提出します。

障害年金の審査をする者が、「参考資料」を見て、「この時期に」「この症状で」「医療機関を受診していたんだ」と納得してもらえるかをご自分で考えてみてください。

参考資料が何も用意されていない場合、「初診日」が認められることはほとんどありませんので注意してください。

初診日を客観的に証明できる資料は…

障害年金の請求で初診日を認めてもらうためには、初診日を客観的に証明できる資料を探す必要があります。たとえば以下のような資料が残っていないか探してみましょう。

参考資料 取得先
身体障害者手帳申請時の診断書 診断書を作成した医療機関 市役所または都道府県庁の障害福祉課
生命保険診断書 生命保険会社 ※初診日頃に生命保険を請求している場合など
診療録 受診状況等証明書を作成した医療機関
診療報酬明細書 健康保険協会や健康保険組合

これら以外にも初診日を証明できる資料がないか根気よく探しましょう。

「初診日」が曖昧なまま、障害年金を請求することのないようにしてください。

初診日を特定できる参考資料がない場合

注意点

初診日を特定できる資料ない場合、次のような方法が可能か考えてみましょう。

健康診断で異常を指摘された日

平成27年10月1日以降、「初診日は、原則として初めて治療目的で医療機関を受診した日とし、健康診断を受けた日(健診日)は初診日として取り扱わないこととする。」とされました。

しかし、これには例外があり、「初めて治療目的で医療機関を受診した日の受診状況等証明書が得られない場合であって、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、請求者から健診日を初診日とするよう申し立てがあれば、健診日を初診日とし、健診日を証明する資料(人間ドックの結果など)を求めた上で、初診日を認めることができることとする。」とされています。

つまり、健康診断の受診日を初診日として請求することも可能といえます。

医療機関で初診日の証明が取れず、客観的な資料も準備できない場合には、健診日を初診日として請求できないか考えてみましょう。

初診日が一定の期間にあることが確認できる場合

初診日を具体的に特定できない場合でも、参考資料により一定の期間内に初診日があると確認された場合には、一定の条件の下で、請求者が申し立てた初診日を認められることがあります。

例えば、糖尿病や腎炎等の発生時期とされる始期と終期を特定し、どちらの時期においても保険料納付要件を満たしているなどの要件を満たす場合には、初診日が認められる可能性があります。

初診日が一定の期間にあることが確認できる場合のより詳しい記事はこちら

第三者証明を取得できる場合

初診日となる時期に医療機関で診療を受けていたことを第三者(請求者の民法上の三親等以外の親族)が証明した場合には初診日を合理的に推定するための参考資料とされる場合があります。

・第三者証明を行う者が、請求者の初診日頃の受診状況を直接的に見て認識していた場合

・第三者証明を行う者が、請求者や請求者の家族等から、請求者の初診日頃に、請求者の初診日頃の受診状況を聞いていた場合

・第三者証明を行う者が、請求者や請求者の家族等から、請求時から概ね 5 年以上前に、請求者の初診日頃の受診状況を聞いていた場合

障害年金の請求で必要な書類(診断書)

障害年金で使用する診断書は、「診断書(腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用)」になります。

初診日から1年6か月以内に人工透析療法を始めた場合には、人工透析療法を初めて受けた日から起算して3月を経過した日に障害年金を請求することができます。

必要となる診断書は、3月を経過した日から3ヵ月以内のものを用意します。

糖尿病や腎炎等から長い期間を経てから人工透析が必要になった場合には、透析療法の開始から3ヵ月待つ必要はなく、すぐに障害年金を請求することができます。

障害年金の請求で必要な書類(病歴・就労状況等申立書)

初診日の証明ができ、症状が正しく反映された診断書を取得した後は、「病歴・就労状況等申立書」を記入します。

発病時から現在までの経過を整理し、年月順に記入していきます。

これには通院期間や入院期間、医師から指示された事項や就労状況や日常生活状況、受診していなかった期間はなぜ受診をしなかったのかなどを具体的に記入していきます。

病歴・就労状況等申立書は、発病から初診に至るまでの経緯を補足する資料にもなりますので、気を抜かずに丁寧に記載していきましょう。

病歴・就労状況等申立書の記入方法はこちらをご覧ください

ご不安な方は、障害年金の専門家へ相談しましょう。

実際に障害年金を請求しようとすると、障害年金に関する知識を抑えた上で様々な書類の準備をしたり、年金事務所へ足を運び煩雑な処理を正しい手順で進めていく必要があります。おそらく人生で1度しかない手続きで、慣れない手続きをするのは困難な場合が多いでしょう。障害年金の請求に慣れた専門家に任せれば、確実な手順でサポートしてくれます。

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かなみ事務所(川西市)は、兵庫・大阪での障害年金の請求をサポートいたします

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