人工肛門や人工膀胱、尿路変更術で障害年金を請求(申請)する方法やポイントを解説 | かなみ社会保険労務士事務所事務所

人工肛門や人工膀胱も障害年金の対象となります。ここでは、人工肛門や人工膀胱になった場合の障害年金の基準や請求(申請)手続きのポイントを解説します。

人工肛門・新膀胱の障害認定基準

人工肛門・新膀胱における障害認定基準は次のようになっています。

等級 障害の程度
2級 人工肛門を造設し、かつ、新膀胱を造設したもの


人工肛門を増設し、かつ、尿路変更術を施したもの


人工肛門を造設し、かつ、完全排尿障害(カテーテル留置又は自己導尿の常時施行を必要とする)状態にあるもの

3級 人工肛門又は新膀胱を造設したもの若しくは尿路変更術を施したもの

*全身状態、術後の経過及び予後、原疾患の性質、進行状況等により総合的に判断し、さらに上位等級に認定されます。

このページTOPへ

障害年金の請求(申請)の進め方

人工肛門・新膀胱で障害年金を請求(申請)する場合、手続きの進め方は次のようになります。

  1. 「初診日」を調べる。
  2. 受診状況等証明書」取得する。
  3. 病歴・就労状況等申立書」作成する。
  4. 診断書(血液・造血器・その他の障害用」の作成を病院に依頼する。

具体的な手順はこちらのページで解説していますので、ご確認ください。

このページTOPへ

人工肛門・新膀胱で障害年金を請求(申請)する際のポイント

ポイント1 身体障害者手帳と障害年金で異なる等級

障害者手帳

人工肛門・新膀胱は、身体障害者手帳では「4級」と認定されているため、障害年金の対象ではないと思っている方が多くいらっしゃいます。

障害年金では人工肛門や人工膀胱、尿路変更術を施したものは「3級」として認定されていますので、初診日に厚生年金の被保険者だった場合は障害厚生年金を請求(申請)しましょう。

 

ポイント2 初診日に国民年金の被保険者の場合、障害年金は支給されないのか?

初診日に国民年金の被保険者であった場合には、次のような場合に認定されることになります。

  • 人工肛門を造設し、かつ、新膀胱を造設した場合
  • 人工肛門を造設し、かつ、尿路変更術を施した場合
  • 人工肛門を造設し、かつ、完全排尿障害(カテーテル留置又は自己導尿の常時施行を必要とする)状態にあるもの
  • 全身状態、術後の経過及び予後、原疾患の性質、進行状況等が良くない場合

行政機関の窓口で「あなたは初診日で国民年金の被保険者だったので、人工肛門だけでは障害年金を受給することは難しい」と言われた場合でも、上記のようなケースだと障害基礎年金を受給できる可能性があります。

 

ポイント3 人工肛門や新膀胱の場合、障害年金はいつから請求(申請)できる?

障害年金の障害認定日(障害の状態を判断する日)は、「初診日から起算して1年6か月後」というのが原則です。

しかし、初診日から1年6か月を経過する前に人工肛門などを装着した場合は、障害認定日は通常とは異なっています。


人工肛門や新膀胱の手術日と障害年金を請求(申請)する際に用意する診断書

初診日から1年6か月以内の手術日 請求可能日 診断書
人工肛門を造設または尿路変更術 手術日から6か月経過した日 手術日から6か月経過した日から3か月以内の日付のもの
新膀胱を造設 手術日からすぐ 手術日から3か月以内の日付のもの
人工肛門を造設し、かつ、新膀胱を造設 人工肛門を造設した日から起算して6か月を経過した日「又は」新膀胱を造設した日のいずれか遅い日 人工肛門を造設後6か月「又は」新膀胱を造設した日のいずれか遅い日から3か月以内の日付のもの
人工肛門を造設し、かつ、尿路変更術を施した 人工肛門を造設した日「又は」尿路変更術を施した日のいずれか遅い日から6か月を経過した日 人工肛門を造設した日「又は」尿路変更術を施した日のいずれか遅い日から6か月経過した日から3か月以内の日付のもの
人工肛門を造設し、かつ、完全排尿障害状態の場合 人工肛門を造設した日「又は」完全排尿障害状態に至った日のいずれか遅い日から6か月経過した日 人工肛門を造設した日「又は」完全排尿障害状態に至った日のいずれか遅い日から6か月経過した日。その日から3か月以内の日付のもの

 

ポイント4 術後の経過及び予後、原疾患の性質、進行状況等が良くない場合は診断書が重要

人工肛門・人工膀胱、尿路変更術を施してもなお、術後の状態が良くない場合など、障害等級3級以上に該当する可能性があります。この場合は、診断書表面⑫一般状態区分と診断書裏面⑮の自覚症状や他覚所見などの記載内容が重要になります。


このページTOPへ

人工肛門・新膀胱で障害年金をサポートした事例集

弊所が担当させていただいた案件を一部ご紹介いたします。

人工肛門は3級なので障害年金を請求(申請)しても無理?

生後7か月に大腸の異変で救急搬送された。

ヒルシュスプルング病だと言われ、直腸と神経を繋ぐ手術をおこなった。

症状は一旦は軽快したものの、頻繁に下痢症状を繰り返すようになっていた。

22歳時にクローン病であると診断されて小腸の切除術を行ったが、術後の経過は不良で人工肛門手術を行うことになった。

障害年金を請求(申請)するために年金事務所で相談したが、人工肛門は3級なので、障害年金を請求(申請)しても無理だと言われていた。

弊所で病状の経過をヒアリングしたところ、人工肛門以外にも、クローン病によって日常生活に大きく支障が出ている判断して障害年金を請求(申請)した(障害基礎年金2級)

 

膀胱癌(人工肛門)で障害厚生年金3級が決定

排尿痛、残尿感があり、定期的に病院を受診していた。

数年後血尿が出たために病院を受診。

検査をすると膀胱癌になっていることが分かり、膀胱を全摘出し人工肛門の手術を行なった。
ご依頼者様が記録を詳細に残しておられたため、最初に排尿痛で受診した日を初診日として申し立てた。

病歴・就労状況等申立書でも排尿痛で受診した日を正確に記載、膀胱癌と診断された経緯も記載していった。
審査の過程では、最終的に膀胱癌と分かった日を初診日とすると連絡がきたため、初診日の訂正を行わなければならなかった。

初診日の特定について考えさせられた案件だった。(障害厚生年金3級)

>> その他の人工肛門・新膀胱の方の障害年金事例集

このページTOPへ


この記事がお役に立ちましたらシェアをお願いします。

投稿者プロフィール

松田康
松田康社会保険労務士 (障害年金専門家)
かなみ社会保険労務士事務所
社会保険労務士 27090237号
年金アドバイザー
NPO法人 障害年金支援ネットワーク理事

このページTOPへ

前後記事&カテゴリ記事一覧

このページTOPへ