遷延性意識障害(植物状態)で障害年金を申請(請求)する方法を解説 | かなみ社会保険労務士事務所

遷延性意識障害(植物状態)となっている場合は障害年金の対象になります。ここでは、遷延性意識障害(植物状態)の障害認定基準や申請(請求)手続きのポイントを解説します。

遷延性意識障害(植物状態)の障害認定基準

遷延性意識障害(植物状態)の障害認定基準は次のようになっています。支給される障害年金額は等級別の障害年金の年金額をご参照ください。

等級 障害の程度
1級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状によって日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの

※ 遷延性意識障害(植物状態)については、日常生活の用を弁ずることができない状態であると認められるため、1級と認定されています。

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障害年金の申請(請求)の進め方

遷延性意識障害(植物状態)で障害年金を申請(請求)する場合、手続きの進め方は次のようになります。

  1. 「初診日」を調べる。
  2. 受診状況等証明書」取得する。
  3. 病歴・就労状況等申立書」作成する。
  4. 診断書(肢体の障害用)」の作成を病院に依頼する。

具体的な手順はこちらのページで解説していますので、ご確認ください。

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遷延性意識障害(植物状態)で障害年金を申請(請求)するポイント

ポイント1 遷延性意識障害(植物状態)の初診日は

遷延性意識障害(植物状態)は、脳出血や脳梗塞、交通事故などでの外傷などをきっかけとして引き起こされ、脳への深刻なダメージによって遷延性意識障害(植物状態)になります。

初診日の証明(受診状況等証明書)を取得する時は、脳梗塞や脳出血、外傷などによって初めて受診した医療機関で「受診状況等証明書」を取得することになります。

ポイント2 遷延性意識状態(植物状態)とは

遷延性意識障害(植物状態)」は、次の1~6に該当し、かつ、それが3月以上継続しほぼ固定している状態のこととされています。

<遷延性植物状態の診断基準の6項目>

1 自力で移動できない
2 自力で食物を摂取できない
3 糞尿失禁をみる
4 目で物を追うが認識できない
5 簡単な命令には応ずることもあるが、それ以上の意思の疎通ができない
6 声は出るが意味のある発語ではない

ポイント3 障害年金を申請(請求)できるのはいつから?

遷延性意識障害(植物状態)で障害年金を申請(請求)する場合、障害認定日(障害年金を申請(請求)できる日)は原則とは異なった取扱いになります。

障害認定基準では「遷延性意識障害(植物状態)に至った日から起算して3月を経過した日以後に、医学的観点から、機能回復がほとんど望めないと認められる とき(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く)」とされています。※ 障害認定日の起算日は、診断基準の6項目に該当した日になります。

ポイント4 診断書の確認項目

初診日から起算して1年6月を超える前に障害年金の申請(請求)を行う場合は、診断書の記載内容を確認しておくようにしましょう。重要なことは、診断書に「遷延性意識障害(植物状態)に至った日」と「症状が固定されている」ことが明確になっていることです。


診断書で確認する箇所は⑦と⑨欄になります。

  • 診断書の表面⑦「傷病が治った(症状が固定して治療の効果が期待できない状態を含む。)かどうか」で「症状が治った(固定)の確認に〇」がされており、「遷延性意識障害(植物状態)に至った日から3月以上経過した日」になっているか。
  • 診断書の表面⑨「現在までの治療内容、期間、経過、その他参考になる事項に「遷延性意識障害(植物状態)該当した日(起算日)が記入」されているか。

 

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遷延性意識障害(植物状態)で障害年金の申請(請求)をサポートした事例集

弊所が担当させていただいた案件を一部ご紹介いたします。

50代女性 脳挫傷 遷延性意識状態(植物状態)で障害基礎年金1級を受給

ご不安な方は障害年金の専門家への相談をしましょう

実際に障害年金を申請(請求)する際には、障害年金に関する知識を抑えた上で、年金事務所へ足を運び煩雑な処理を正しい手順で進めていく必要があります。

障害年金は複雑で一般の方には難しい点も多々あります。不安や分からないことがある場合は、障害年金を扱っている専門家(社会保険労務士など)に相談しましょう。

投稿者プロフィール

松田康
松田康社会保険労務士 (障害年金専門家)
かなみ社会保険労務士事務所
社会保険労務士 27090237号
年金アドバイザー
NPO法人 障害年金支援ネットワーク会員

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