初診日を保健センターのパソコンデータで特定 うつ病で障害基礎年金2級を受給 | かなみ社会保険労務士事務所

| 兵庫県川西市

相談者の状況

大学の部活動でいじめに遭い、それが原因で精神的な負担が増しました。自分に存在価値を見いだせず、夜眠れなくなり、学業にも支障が出始めました。

大学校内のA内科を受診しましたが、改善は見られず、B精神科の受診を勧められました。

精神科で精神療法や薬物療法を試みましたが、状態は改善せず、結局大学を休学することになりました。

休学中に大学の保健センターからCクリニックを紹介され、うつ病の疑いで治療が始まりました。

大学卒業後に就職しますが、異動後の部署での仕事に合わず、精神的な負担が続き、職場環境に不適応になり休職することになりました。(D心療内科クリニックを受診)

休職中は症状が改善せず、外出が難しく、通院後は疲労感が増しました。薬の量が増え、不眠が続き、Eメンタルクリニックに転院。復職を試みつつも完全な回復は難しく、再度休職していました。

受任から申請(請求)までに行ったこと

発病の原因は部活動でのいじめで、初診日は大学1年生か2年生の頃と記憶されていました。

初診日は障害年金の申請(請求)よりも15年前のことです。大学に入学は平成14年4月1日で、申請(請求)人の20歳の誕生日は平成15年5月20日です。

大学入学から平成15年5月18日(20歳到達前)までに初診日がある場合は「20歳前傷病の障害基礎年金」となり、その日以降は「20歳以降の障害基礎年金」になるため、初診日を特定する必要がありました。

初診日の特定

大学校内にあったA内科とB精神科の診療録は廃棄されており、大学の保健センターから紹介されたCクリニックで受診状況等証明書を取得することができました。 Cクリニックの初診日は「平成16年5月11日」で、発病から初診までの経過には「大学入学後にA内科とB精神科を通院するもむしろ悪化」と記載されていました。 これにより、初診日は大学に入学した平成14年4月1日からCクリニックの初診日である平成16年5月11日までの間にあることが分かりました。

次に、Cクリニックを紹介した大学の保健センターに相談内容や受診歴などの記録が残っているか確認したところ、平成14年11月4日にA内科、平成15年3月2日にB精神科を受診したデーターがあることが判明し、申請(請求)人の初診日を「平成14年11月4日」として障害基礎年金を申請(請求)することになりました。

診断書を取得

初診日を特定できたことで診断書を依頼することができました。

日常生活能力の判定平均「3.2」日常生活能力の程度(3)となっており、等級の目安は「2級」となっていました。

結果

年金種類と等級;障害基礎年金2級

年金額:年額1,220,000円

その他

>>> 障害認定基準 精神の障害

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