兵庫県神戸市 健康診断日が初診日 1型糖尿病で障害厚生年金3級を受給 | かなみ社会保険労務士事務所

| 兵庫県神戸市

相談者の状況

発端は、会社の健康診断でした。尿検査で糖が出ていると指摘を受け、医療機関を受診するよう指示されました。すぐに病院へ行くと「1型糖尿病の疑いがある」と診断され、紹介された大学病院にて確定診断を受け、インスリン治療を開始することになりました。

初診から約10年が経過し、ご自身の病気が障害年金の対象になることを知って当事務所へご相談に来られましたが、時間の経過により「初診日の証明」という大きな壁が立ちはだかっていました。

受任から障害年金の請求までに行ったこと

障害年金の請求において、最も重要かつ難しいのが「初診日の証明(受診状況等証明書)」です。
ご相談者様の場合、初診日から約10年が経過しており、現在は5番目の病院に通院されていました。

調査の結果、以下の問題が判明しました。

  • 最初の病院と大学病院のカルテがすでに廃棄されていた。
  • 転院先の病院のカルテにも、正確な初診日を特定できる記載がなかった。

通常であれば初診日の特定が困難になるケースですが、丁寧なヒアリングを重ねたところ、ご相談者様が「尿糖を指摘された年の健康診断結果票」と「その前年の結果票」を大切に保管されていることが判明しました。

障害年金の実務では、「原則として健康診断日は初診日として扱わない」とされていますが、「初めて治療目的で医療機関を受診した日の証明が取れない場合で、医学的見地から直ちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、健診日を証明とする」という例外的な取り扱いがあります。

当事務所ではこの規定に着目し、以下の立証を行いました。

  1. 尿糖を指摘される前の2年間は異常がなく、健康であったこと(前年の健康診断票で証明)。
  2. 指摘を受けた健診結果が、直ちに治療を要する状態であったこと。

これらをもとに、尿糖を指摘された「健康診断日」を初診日として申し立てを行い、請求を進めました。

結果

カルテが存在しないという不利な状況でしたが、健康診断結果票を有効な証拠として活用し、論理的な申立を行った結果、こちらの主張が認められました。

障害厚生年金 3級
(兵庫県神戸市・1型糖尿病)

初診の証明書類(カルテ)がないからといって、必ずしも諦める必要はありません。本事例のように専門家の知識を用いて代替資料を活用することで、受給につながるケースがあります。

投稿者プロフィール

松田康
松田康社会保険労務士 (障害年金専門家)
かなみ社会保険労務士事務所
社会保険労務士 27090237号
年金アドバイザー
NPO法人 障害年金支援ネットワーク会員

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