緑内障で障害年金を請求する方法 | かなみ社会保険労務士事務所/障害年金請求を代行
緑内障で障害年金を請求するために必要な障害認定基準、初診日の考え方、必要書類、診断書の注意点などを専門家が分かりやすく解説します。この記事では、緑内障での障害年金請求の重要ポイントをまとめました。
1. 緑内障の障害認定基準
障害年金に該当する障害の状態については、国民年金法施行令(別表)および厚生年金保険法施行令(別表第1・第2)があり、具体的な基準として「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 眼の障害」が定められています。
緑内障では、視野障害が主な症状となるため、視野検査の結果が非常に重要になります。
1-1.視野の障害認定基準
視野障害は、ゴールドマン型視野計または自動視野計のいずれか一方の結果で評価されます。
| 等級 | 視野の目安 |
|---|---|
| 1級 |
|
| 2級 |
|
| 3級 |
|
| 障害手当金 |
|
1-2. 障害手当金
障害手当金とは、厚生年金に加入している間に初診日がある傷病について、初診日から5年以内に症状が固定し、その日から5年以内に請求した場合に支給される一時金のことです。
- 緑内障の初診日に厚生年金に加入していたか
- 障害年金3級よりも軽度の障害
- 症状が固定していない場合は障害厚生年金3級が支給される
2. 初診日の考え方と障害認定日
2-1. 緑内障における初診日
障害年金における初診日とは、「障害の原因となった傷病(緑内障)のために、初めて医師(または歯科医師)の診療を受けた日」のことをいいます。緑内障の場合、以下のような日が初診日となるケースが一般的です。
- 「眼の奥が痛い」「視野が欠けてきた」などの自覚症状で眼科を受診した日
- 見えにくさ・かすみ・などを感じて、眼科を受診した日
- 会社の健康診断や人間ドックなどで高眼圧を指摘され、眼科を受診した日
※注意点
原則として65歳の誕生日の前々日までに初診日があることが必要です。例外として65歳以降でも厚生年金に加入中に初診日がある場合は、障害厚生年金に限り請求が可能です。
2-2. 障害認定日について
初診日から1年6か月を経過した日が「障害認定日」となります。
- 障害認定日に既に障害の程度に該当していれば
→ 障害認定日請求(遡っての請求)を行うことができます。 - 障害認定日時点では障害の程度に該当しておらず、その後悪化した場合は
→ 事後重症請求として、請求日以降からの支給になります。
緑内障は進行が緩やかなケースが多く、初診日から1年6か月時点では障害等級に該当せず、数年〜数十年後に症状が悪化してから請求する「事後重症請求」になるケースが多くなるでしょう。
※注意点
事後重症請求の場合、65歳の誕生日の前々日までに請求する必要があります。
3. 障害年金請求に必要な書類
緑内障で障害年金を請求する場合、一般的には次のような書類が必要です。
- 障害年金請求書
- 初診日に厚生年金加入 → 「国民年金・厚生年金保険障害給付」
- 初診日が20歳未満、20歳以上60歳未満の国民年金 → 「国民年金障害基礎年金」
- 診断書(眼の障害用・様式第120号の1)
- 病歴・就労状況等申立書(初診日から請求日までの経過を記載)
- 受診状況等証明書(初診医療機関)
- 年金生活者支援給付金請求書
4. 診断書の重要ポイント
障害年金の審査では、診断書が最も重要な書類といっても過言ではありません。緑内障の場合、次の点がポイントになります。
視野検査の種類と数値
現在、視野障害の認定基準には「ゴールドマン型視野計」と「自動視野計」の2つの基準があります。
- 医師にどちらの検査機器で計測するかを確認しましょう。
- ゴールドマン型視野計と自動視野計では計測結果が異なる場合があります。
- ゴールドマン型視野計と自動視野計のどちらの検査方法が適切か医師に確認が必要です。

5. 緑内障で障害年金を請求した事例集
緑内障で障害年金を請求した事例をまとめています。気になる事例のリンクをクリックすると、詳しい解説ページへ移動します。
40代男性 アトピー皮膚炎のステロイドで緑内障
障害等級:障害基礎年金2級/事後重症請求
概要:アトピー性皮膚炎の治療で使用したステロイドが原因で発症した緑内障について、皮膚科受診日を初診日として因果関係を立証し、障害基礎年金2級を受給した事例です。
6. 最後に
本ページの内容は、緑内障で障害年金を請求する方法をまとめたものです。
障害年金の制度・診断書様式・運用は改正されることがありますので、実際に障害年金を請求される際は
- 最寄りの年金事務所での最新案内
- 厚生労働省・日本年金機構の最新リーフレット
- 障害年金に詳しい社会保険労務士
などに確認しながら進めることをおすすめします。
※本記事は一般的な情報提供であり、特定の方の受給権や等級を保証するものではありません。ご自身のケースについては、必ず年金事務所や専門家にご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供であり、特定の方の受給権や等級を保証するものではありません。ご自身のケースについては、必ず年金事務所や専門家にご相談ください。
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