医師の第三者証明と在籍期間証明で初診日を申し立て 双極性感情障害・アスペルガー症候群で障害厚生年金2級を受給 | かなみ社会保険労務士事務所
| 大阪府宝塚市A様
相談者の状況
正看護師の資格を取得するために専門学校に通学していました。3年次の現場実習では、医師と話す機会が多くなり、他の実習生とのグループ行動も必要になりますが、会話が苦手で円滑な意思疎通ができずにいました。
専門学校を卒業時には「学校の恥だから看護師は止めた方がいい」と言われたそうです。
正看護師となった後も人間関係が上手くいかず複数の病院を転職しており、結婚を機に、看護師の仕事は自分には不向きだと思って退職されました。
二人の子どもをもうけ、専業主婦として家庭生活を過ごしていましたが、夫が失業したために再び看護師として就職しています。
職場では、他の看護師と馴染めず、努力して会話していることで異常に疲れるようになります。
会話が理解できないので他の看護師達と協力して仕事ができず、助手にも強い口調で注意されるため、最後には恐怖感を持つようになっていました。
A市立病院を受診したところ、対人恐怖症であると言われました。定期的に通院して抗不安薬などが処方されますが、吐き気などの副作用ばかりで効果を感じることができずに通院を中断されました。
その後、夫とは離婚してパートタイマーとして働きますが、どこの職場もうまくいかずに短期間で退職されています。対人関係のストレスや不安を強く感じ、抑うつ気分も感じるようになっていたためにB心療内科を受診されました。治療の経過中にアスペルガー症候群と診断されています。
受任から申請(請求)までに行ったこと
本人申請(請求)をされましたが「初診日不明で却下」になった方でした。
初診のA市立病院の診療録はすでに廃棄されており、B心療内科で受診状況等証明書を取得されていましたが、前医の情報はまったく記載されていません。
初診日の証明ができなかったため、第三者証明を添付して申請(請求)されたのですが、初診日として認められなかったようです。
初診日として申請(請求)されたのが、わずか2年間の厚生年金期間中だったため、難易度は非常に高いものでした。
再申請(請求)では、第三者証明として、初診のA市立病院の主治医に第三者証明を依頼しました。
第三者証明には「申請(請求)人が○○○病院の看護師として働いていた時に診察をしていた」「同僚に対して恐怖感を抱いていたと述べていた」という内容です。
次に、申請(請求)人が勤務していた○○○病院で、パートタイマー期間を含めたすべての在職期間の証明を取得しました。
在職期間の証明により、○○○病院に勤務中のすべてが厚生年金の被保険者期間であり、すべての期間で保険料納付要件を満たしていることが分かったため、障害厚生年金として申請(請求)することができました。
結果
年金種類と等級;障害厚生年金2級
年金額:年額1,130,000円
その他
>>> 双極性障害(躁うつ病)で障害年金を申請(請求)する方法やポイントを解説
>>> 広範性発達障害(ADHD・ASD)で障害年金を申請(請求)する方法やポイントを解説
投稿者プロフィール
最新の投稿
- 2024年11月19日内蔵疾患40代男性 1型糖尿病で障害厚生年金3級を受給
- 2024年11月18日精神の障害30代女性 単身生活で社交不安障害・うつ病 障害基礎年金2級を受給
- 2024年11月16日精神の障害20代女性 うつ病で障害基礎年金2級を受給
- 2024年11月13日初診日証明が困難な事例60代男性 障害厚生年金3級を決定後に額改定請求を行う(慢性腎不全)