脳幹梗塞と椎骨動脈解離・右小脳梗塞は相当因果関係あり 障害基礎年金2級 | かなみ社会保険労務士事務所

| 兵庫県川西市

病歴

会社の健康診断で心房細動を指摘され、A循環器病院を受診した。

発作性心房細動と診断され、投薬治療と血液検査のために定期的に通院するようになった。

2020年11月12日、右手や右足、左顔に痺れ感を自覚する。めまいやふらつきもあり、柱につかまって体を寄せなければ起立状態を維持できなかった。
2020年11月13日、B病院を受診。頭部MRI検査やMRA検査で脳幹梗塞と椎骨動脈解離となっていることが分かった。心房細動の不整脈から血栓ができ、血栓により動脈解離となった可能性があると言われた。

約1週間の入院のうえ血圧コントロールを行い、退院後は定期的に通院して経過観察を受けていた。

 

2021年4月4日、右上下肢と左顔の痺れ感が強まり、B病院に救急機送された。頭部MRI検査やMRA検査で右小脳梗塞になっていることがわかった。

退院後は定期的に通院して経過観察を受けていた。

障害年金の申請(請求)時の障害の状態は、右上下肢に感覚麻痺が残存し、温痛覚の低下があるために日常生活の動作全般に困難が生じていた。

 

受診歴と年金加入履歴

年月日 年金加入履歴 受診した医療機関 他
2018年6月 厚生年金 会社の健康診断で心房細動を指摘される
2018年7月13日 厚生年金 A循環器病院を受診 発作性心房細動と診断される
2019年3月31日 退職
2020年11月13日 国民年金 B病院を受診 脳幹梗塞・椎骨動脈解離と診断される
2021年4月4日 国民年金 B病院に救急搬送 右小脳梗塞と診断される

 

心房細動を初診日として障害厚生年金を申請(請求)する

会社の健康診断で心房細動を指摘され、A循環器病院を受診した日は厚生年金に加入していた。

その後、病状が悪化したために会社を退職、国民年金に加入中にB病院を受診し、脳幹梗塞と椎骨動脈解離との診断を受けている。

医師からは、心房細動の不整脈から血栓ができ、血栓により動脈解離となった可能性があると言われていた。

 

B病院を受診した日を初診日とした場合は障害基礎年金での申請(請求)となるため、心房細動で受診したA循環器病院を初診日として障害厚生年金を申請(請求)する方針で手続きを進めることになった。

 

受診状況等証明書と診断書を取得

A循環器病院で受診状況等証明書を取得。傷病名は「発作性心房細動」と記載されていた。

次にB病院で診断書を依頼。傷病名は「脳幹梗塞」であり、傷病の原因又は誘因として「椎骨動脈解離」と記載されていた。

A循環器病院の「受診状況等証明書」とB病院の「診断書」「病歴・就労状況等申立書」を準備して障害厚生年金を申請(請求)した。

 

申請(請求)書類が返戻される

障害厚生年金を申請(請求)して1ヶ月後、障害年金センターから書類が返戻された。

返戻理由は、請求傷病である「脳幹梗塞」と「椎骨動脈解離・右小脳梗塞」は相当因果関係があるが、「発作性心房細動」との因果関係はないというものだった。

 

「脳幹梗塞」と「発作性心房細動」の因果関係はないとされたことから、二つの選択を迫られた。

一つは、B病院を受診した2020年11月13に日初診日を変更し、障害厚生年金から障害基礎年金の申請(請求)に変更を行うこと。

もう一つは、初診日の変更に応じず、このまま障害厚生年金で手続きを進めてもらうこと。この場合、初診日が認められずに却下通知を受け、不服申し立てを行う必要がある。

 

初診日を変更して障害基礎年金の申請(請求)で手続きを進める

初診日の変更に応じなかった場合、初診日を争って不服申し立てを行うことになる。

「却下通知」を受け取ってすぐに審査請求を行なっても、決定は約4〜5ヶ月程度必要になり、仮に審査請求で棄却された場合は、再審査請求を行うことになるが、決定まで5〜6ヶ月程度かかる。

不服申し立ての記事はこちら >>> 障害年金の不服申立て( 審査請求・再審査請求)の流れとポイントを解説

 

障害厚生年金のまま手続きを進め、不服申し立てを行うことを考えたが、請求人と話し合った結果、障害厚生年金から障害基礎年金に変更することになった。

 

障害基礎年金2級

返戻通知に障害基礎年金に変更する旨を記載し、障害基礎年金の請求書を添付して書類を送付した。

約1ヶ月後、障害基礎年金2級の年金証書が送付された。

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