知的障害・精神遅滞と障害年金

知的障害(精神遅滞)も障害年金の対象になります。
ここでは、知的障害(精神遅滞)で障害年金を請求するに当たってのポイントや注意点について解説します。

知的障害・精神遅滞の障害認定基準は

知的障害・精神遅滞の障害認定基準は、次のようにされており、それぞれの等級によって支給額が決まります。

支給される障害年金額は等級別の障害年金の年金額をご参照ください。

等級 状態
1級 知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級 知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
3級 知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの

◎知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する。

◎日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。

障害年金の初診日は

知的障害や精神遅滞の場合、他の疾病とは異なり、先天性または出生後の早い時期に何らかの原因で生じる障害ですので、初診日がいつであるかに関わらず、「20歳前傷病」として扱われ、初診日の証明は必要ありません。

知的障害は、生まれた日(誕生日)が初診日となっているからです。

稀に、小中学校は普通学校に通っており、20歳を過ぎてから社会生活などに問題があると言われ、病院で検査を受けたところ、知的障害と診断されることもあります。

このような場合も、他の疾病のように、初診日から1年6ヶ月経過した後でなければ障害年金は請求できないという訳ではありません。

知的障害は、先天性のものとされますので、1年6ヶ月を経過するまで待つ必要はなく、障害年金をすぐに請求することができるのです。

障害年金の障害認定日は

20歳前傷病の場合、原則として20歳到達時に受給権が発生しますので、障害認定日(20歳)の前後3ヶ月以内の診断書が必要になります。

通常の認定日請求のように、認定日以降3ヶ月以内という扱いとは異なり、20歳の3ヶ月でも良いとされていますのでご注意ください。

20歳到達時の診断書を取得できない

障害認定日の請求をする時、20歳到達後すぐに障害年金を請求する場合は問題はないのですが、20歳から相当期間経ってから障害年金の制度を知って請求する場合、障害認定日の診断書を取得することができない場合があります。

知的障害の場合、継続的に医療機関に通院する必要性はないので、通院していない時の診断書を医師に作成してもらうことができないからです。

通常、知的障害では障害の程度が大きく変わることはありませんので、現在(請求時点)の診断書から障害認定日(20歳時点)と大きく障害等級が変わってしまうほどの変化はないと思います。

したがって、本来は、現在(請求時点)の診断書から障害認定日の障害状態が判断できる場合は、20歳時に遡って支給することとされています。

しかし、残念ながら現状では、20歳到達時(障害認定日現症)の診断書が取れないと障害認定日への遡及請求は認められず、障害年金を請求した月からの支給とされるのです。

ただ、20歳時点での診断書を取得できなくても、特別児童扶養手当の診査時の資料などはないでしょうか。こういったものが、たとえ20歳3ヶ月前後の資料ではなくても、客観的資料として障害認定日からの支給が認められる可能性もあります。

20歳時点で通院していなかったからといっって障害認定日の請求を諦めることのないようにしたいものです。

就労している場合

障害年金の障害認定基準には、就労している場合について次のような記載があります。

「就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。
したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。」

しかし、現実には就労している場合、その事実だけをもって不支給の決定をされる場合があります。医師に診断書の作成を依頼する前には、就労の形態や労働の具体的内容、援助の必要性などをしっかりと申し立てて、診断書に記載してもらうようにしましょう。

さらに詳しく、「精神障害の障害年金」と「就労」の関係

病歴・就労状況等申立書

病歴・就労状況等申立書は、誕生時から請求時までの経過を記入していきます。

小中学校時は普通学級に行っていた場合は、学校や周囲の支援はどの程度あったのか、学習の遅れはどの程度あったのか、毎日休まずに出席できていたのか、など、ただ単に普通学級に通っていたことだけではなく、支援の必要の程度や学校での生活状況などは最低限申し立てるようにします。

就労をしている場合には、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを少なくとも伝えるようにします。

また、この病歴・就労状況等申立書には、日常生活でどんなことで困っているのかを記入する項目もあります。小さなことでもいいので、できる限りの事を書きましょう。 申立書の内容によって不支給になってしまうことや、等級が決まる場合もありますので、気を抜かずに丁寧に記載していきましょう。

最後に… 軽度精神遅滞は障害年金の対象にならないのか

療育手帳が軽度に相当する精神遅滞の場合、障害年金は受給できないという誤解があります。

しかし、このような方でも、それまでの養育環境や発育経過などによって、日常生活に多くの援助が必要になっているような方もあります。

障害認定基準でも「知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する」とされています。

つまり、知的障害の中で軽度の精神遅滞(IQ50~70)であっても、それまでの養育環境・発育経過などによって、日常生活に多くの援助が必要になっているような方もいますので障害年金の対象になるということです。

知的障害・精神遅滞で障害年金をサポートした事例集

当事務所が担当させていただいた案件を一部ご紹介いたします。

知的障害・精神遅滞の方の障害年金事例集

かなみ事務所(川西市)は、兵庫・大阪での障害年金の請求をサポートいたします

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