うつ病エピソード・広汎性発達障害の初診日は本態性振戦 障害厚生年金2級を受給 | かなみ社会保険労務士事務所

| 兵庫県猪名川町

相談者の状況

幼少期から「掃除ができない」「やりたい事は先延ばしにする」「集中できない」「人の輪に入れない」などといった性格だった。高校の頃から人前で緊張しやすく、何かやろうとすると手が震えてしまうという症状が出現するようになりました。
大学を卒業後に事務職として会社に就職しましたが、意思疎通の齟齬からミスが続きました。同僚や上司と仕事をする際に緊張して手が震える症状がでるため、神経内科を受診されました。

検査を受けましたが異常はなく、本態性振戦と診断されています。その後も緊張時に手の震えが続くため、医師から精神的なものではないかと言われ、心療内科を受診されました。
心療内科では「手の震えは不安からきているもの」と言われ、定期的に通院するようになりました。
仕事ではミスが続いており、コミュニケーションの困難さが目立ち、上司から叱責が続き、抑うつ気分が遷延するようになりました。

受任から申請(請求)までに行ったこと

本態性振戦で神経内科を受診した日は厚生年金の被保険者であり、心療内科を受診した日は国民年金の被保険者であったと記憶されていました。

本態性振戦で受診したA病院の神経内科を初診日として障害厚生年金の申請(請求)を行う方針になりました。A病院の神経内科の受診状況等証明書を取得したところ、傷病名は「本態性振戦」治療の経過には「当科からの処方はなし」となっていました。

次に本態性振戦の原因が分からず、医師から精神的なものではないかと言われて受診したC心療内科に受診状況等証明書の依頼をしましたが、診療録はすでに廃棄されており、取得することができませんでした。このため、転院先のD心療クリニックで受診状況等証明書を所得すると、そこには「社交不安障害」傷病の原因又は誘因には「過度な緊張が一因」となっていました。

A病院 神経内科の受診状況等証明書を提出し、D心療クリニックの受診状況等証明書を参考資料として提出しました。また、初診日の申立書を作成し、「社交不安障害」の一因が「過度な緊張」であり、その初診日は「本態性振戦」と診断された病院であると主張しました。

受診歴

初診年月日 受診した医療機関 疾病名 その等 年金制度
2006年12月16日 A病院 神経内科 診断名:本態性振戦 厚生年金
2007年6月29日 Bクリニック 診断名:本態性振戦 厚生年金
2008年2月2日 C心療内科 不明 国民年金
2010年6月27日 D心療クリニック 社交不安障害 国民年金
2016年1月26日 Eクリニック うつ病エピソード 広汎性発達障害 国民年金

書類が返戻される

審査過程でC心療内科を受診した日を初診日とするように指示され、それに対応する必要が生じました。
C心療内科のカルテはすでに廃棄されていることは確認しています。

申請(請求)人は、「C心療内科の受診時はすでに会社を退職していた」との記憶であったため、初診日の変更に応じず、障害厚生年金の申請(請求)で主張し、「却下」の決定を受けて審査請求を行うことを考えました。

日本年金機構に連絡する前に、D心療クリニックのカルテを確認してもらうと「前医(C心療内科)の初診時期」が記載されていたことが分かりました。C心療内科を受診した時期は「厚生年金の被保険者」であったことが分かり、初診日の変更に応じました。

結果

年金種類と等級;障害厚生年金2級

年金額:年額1,160,000円

その他

>>> 障害認定基準 精神の障害

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